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執筆者の写真KAZ KOBAYASHI

闘志あふれる!がんとグルタミンの壮絶な関係



「やれやれだぜ……」 がん細胞の恐ろしい秘密に迫る!その狂気の代謝メカニズムを暴け!!


がんがブドウ糖(グルコース)を栄養源とすることは広く知られているが、その影にはもう一つの重要な分子、グルタミンが存在する。がん細胞が如何にしてこのアミノ酸を利用し、生き延びようとするのか、今こそその秘密を明らかにしよう。

がん細胞とグルタミンを使って戦う空条承太郎風の勇者細胞の劇的なイラスト。勇者は「グルタミン」と書かれた光る剣を持ち、多頭のモンスターのようながん細胞と戦っている。背景には激しい闘いを象徴する暗く嵐のような空が描かれている。

グルコースの暗黒面:解糖系とTCAサイクル

がん細胞のエネルギー源であるブドウ糖は、解糖系と呼ばれるプロセスで分解され、ピルビン酸を生成する。通常の細胞では、このピルビン酸がTCAサイクル(クレブスサイクル)と酸化的リン酸化により二酸化炭素と水にまで分解されるが、がん細胞ではここでストップ。何故か?それは、酸化的リン酸化が引き起こす活性酸素の発生から細胞を守るためだ!!


第二の戦場:グルタミンの利用

だが、ここで立ち止まることはない。がん細胞は飢えを知らない戦士だ。ブドウ糖が不足すれば、グルタミンに目を向ける。このグルタミンを利用してエネルギーを作り出すのだ。酵素ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PCK2)が、このプロセスを助ける。グルタミンはホスホエノールピルビン酸に変換され、セリンやプリンなどの重要な物質の合成に使われる。


逆向きに回るTCAサイクル:驚愕の事実

さらに、がん細胞ではTCAサイクルが逆向きに回るという驚愕の事実がある。グルタミン由来のαケトグルタル酸がイソクエン酸を経てクエン酸となり、アセチルCoAを生成するのだ。このメカニズムにより、がん細胞は新たなエネルギー源を確保し、増殖を続ける。


グルタミン補給の効果

一方で、グルタミンの摂取ががんにどのように影響するのか?驚くべき実験結果がある。ラットにグルタミンを補給したところ、腫瘍の成長が3週間以内に40%減少したという報告がある。また、グルタミンがナチュラルキラー細胞の活性を増加させ、腫瘍の成長を抑制するという研究もある。これにより、グルタミンの補給ががん治療に役立つ可能性が示唆されている。


さらに、最新の研究では、グルタミンが不足するとがん細胞が栄養飢餓に対する耐性を獲得するメカニズムが明らかになった。これにより、がん細胞は生存能力をさらに高める。しかし、グルタミンが十分に存在すれば、この耐性を防ぐことができるのだ。


抗がん剤治療や手術後、免疫力が低下し、腸内環境が悪化することがある。これに対し、グルタミンの補給が免疫増強効果や創傷治癒効果をもたらし、体力を維持するのに役立つ。


 

まとめ

がんとグルタミンの関係は、まさに壮絶な戦いだ。しかし、私たちはこのメカニズムを理解することで、がんとの戦いにおいて新たな戦術を見出すことができる。グルタミンの力を信じ、がん細胞を撃退する新たな道を切り拓こう!



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